糖尿病診療の現場で「傾聴」の重要性を感じながらも、本で学んだ技術では患者さんとの対話がうまくいかなかった内科医のGさん。
京都で開催されていた糖尿病コーチング講座との出会いをきっかけに、ヘルスコーチ・ジャパンの本講座に編入。
2023年初めに「2年でACCを取る」と決め、ICFのピアツーピアコーチング制度を活用して100時間を着実に積み上げ、ACC Exam対策の勉強会を自ら立ち上げて2025年4月にACC合格を果たしました。
医療現場で忙しい日々を送りながらも、自分のペースで資格取得を実現した道のりを、松下由樹コーチがインタビューします。
この記事でわかること
- 糖尿病診療で「傾聴を学んでもうまくいかない」と感じていた内科医が、コーチングという手法に出会って「本当にやりたかったのはこれだ」と確信するまでの具体的な心の動き
- 「プロのコーチが目指すもの」と思っていたACC資格に、ピアツーピアコーチング制度の解禁をきっかけに挑戦を決めた、医療従事者ならではの戦略的な資格取得アプローチ
- ACC Exam対策のための勉強会を自ら立ち上げ、仲間と共に学び続けることで合格まで到達した、多忙な専門職でも実現可能なコミュニティ活用法
ICF認定ACC(Associate Certified Coach)は、国際コーチング連盟(ICF)が認定するプロコーチの国際資格の第一歩です。他の合格者の体験談と資格制度の詳細は、ACC合格者のリアル体験談【ヘルスコーチ・ジャパン累計】からご覧いただけます。
最終更新日:2026年04月24日
目次
- インタビューからわかった重要ポイント
- インタビュー動画
- 合格後の率直な気持ち
- コーチングを学び始めたきっかけ
- ACC資格を取ろうと思ったきっかけ
- 資格取得要件の100時間はどうやって達成したのか?
- ICF Credentialing Exam対策としてやったこと
- 試験を受ける前の準備
- ヘルスコーチ・ジャパンのプログラムの良かったところ
- ACC資格を今後どのように活かしていきたいか?
- これから資格取得にチャレンジする人への応援メッセージ
- プロフィール
1. インタビューからわかった重要ポイント
GさんのACC取得までのロードマップ
- 糖尿病を専門とする内科医として勤務する中で、患者さんの理解やエンパワーメントに傾聴が欠かせないと感じる
- 本や講座で傾聴を学んで実践するが、最終的にはこちらが話してしまう形になり、うまくいかない日々が続く
- 病院で開催された「糖尿病コーチング」の講演(大石まり子先生・いち早くコーチングを診療に取り入れた糖尿病専門医)に出会い、藁にもすがる思いで京都の講座へ参加
- 年に2回の講座だけでは足りないと感じ、ヘルスコーチ・ジャパンの本講座に編入。コーチングの世界にどっぷりはまる
- 当初は「ACCはプロになる人が取るもの」と縁のないものと考えていたが、ICFがピアツーピアコーチングも100時間にカウントOKと発表したことで挑戦の余地ができる
- 2023年初めに「2年間でACCを取る」と決意し、スクール仲間への直接依頼 → メッセンジャーでの告知 → そこからの口コミで実績を積み上げる
- ACC Exam対策のため、自ら勉強会を立ち上げて仲間と共にコアコンピテンシー・倫理規定を深く読み込む
- 経験重視のICF Credential Examと知識重視のACC Examの両方が選べる移行期に受験。自分に合う形式を選んで合格
- 2025年4月 ACC資格取得
- 立ち上げた勉強会はその後も仲間に引き継がれ、今も続いている
「本で学んだ傾聴」の壁を越える。コーチングは知識ではなく体験で身につくもの
Gさんは糖尿病診療に傾聴が必要だと感じ、本や講座で学んだ技術を実践してみました。しかし「最終的にこっちが喋ってしまう」状態で、いくら頑張ってもうまくいかない日々が続いたといいます。
この壁を越えたのは、体系的なコーチングの学びと、安心安全の場で繰り返し実践できるコミュニティの存在でした。コーチングが知識ではなく体験を通じて身につくスキルであること、そのためには継続的な学習環境が必要であることを、Gさんの歩みが教えてくれます。
制度の変化を好機と捉える。ピアツーピア解禁が開いた「医療従事者でもACC取得できる道」
「ACCはプロのコーチが取るもので、自分には縁がない」と長らく思っていたGさん。100時間のクライアント実績を、多忙な臨床医として集めることは現実的に難しいと感じていたからです。
しかしICFが「ピアツーピアコーチングも100時間にカウントOK」と発表したことで、挑戦の扉が開きました。制度変化を「自分には関係ない」で終わらせず、「自分に新しいチャンスが来た」と受け止める柔軟性が、Gさんのキャリアに新しい一歩を加えています。
学ぶ場がなければ自ら作る。ACC Exam対策勉強会が仲間の学びの場として続く理由
ACC Exam対策のため、Gさんは自ら勉強会を立ち上げました。コアコンピテンシーと倫理規定を深く読み込む必要がある試験に、一人で挑むのではなく仲間と議論しながら理解を深めるという選択です。
その勉強会は今も仲間に引き継がれ、後輩たちの学びを支えています。自分のためだけでなく結果的にコミュニティへの貢献となった、Gさんの行動力が「学び続ける文化」を作っていることがわかります。
2. インタビュー動画
3. 合格後の率直な気持ち
Q:合格して今の率直なお気持ちはいかがでしょうか?
松下:Gさん、ACC認定試験合格、本当におめでとうございます。改めまして、ACC認定資格取得、おめでとうございます。
Gさん:ありがとうございます。
松下:いかがですか?今、合格という資格を手にされて、率直に言うと今どんな気持ちでいらっしゃいますか?
Gさん:ホッとしています。
松下:ホッとしてるんですね。本当にホッとしてるという感じ。その奥にはどんな思いがありますか?
2023年の初めに「2年間でACCを取る」と決めて、なんとか間に合ったことへの安堵が大きかった
Gさん:2023年の初めに、別に緻密な計画があったわけじゃないんですけど、「よし2年間でACCを取ろう」と思ったので、なんとか間に合ったなっていう安堵もあるし、そこまで結構、心の重荷になってたんだなっていうのがありますね。
松下:そうなんですね。それは終わってみて気がついたことですか?
Gさん:心の重荷は終わってからちょっと確認した感じですけど、確かにその前から少し苦しかったよねって。特に最近苦しかったなというのがありましたね。
4. コーチングを学び始めたきっかけ
Q:コーチングを学び始めたきっかけは?
松下:Gさんがコーチングを学び始めたきっかけ、なぜコーチングを学ぶことになったんですか?
糖尿病診療には患者さんの理解とエンパワーメントが不可欠。傾聴の重要性は分かっていたが、実践するとうまくいかなかった
Gさん:僕は糖尿病を中心に診療しているんですが、ある偉い先生などが「糖尿病はその人を理解しないと診療がうまくいかない」と言われていて、患者さんをエンパワーメントするいろいろな技術の中でも、傾聴が大切だよとあちこちに書いてあったり、講座でも聞くんですね。
Gさん:実際コーチングも学んで「よし、傾聴やろう」とやってみても、うまくいかないんですよね。
松下:そうだったんですか。
本や講座で傾聴の技術を学んでも、最終的にはこっちが喋っている状態になってしまう日々が続いた
Gさん:うまくいかなくて。最終的にこっちは喋っているという感じになる。いくら頑張ってもうまくいかない中で途方に暮れていたところに、「コーチングというのが、そういう心情に役立つよ」という話を聞いて。
Gさん:それで糖尿病コーチングの大家の大石先生に病院に来ていただいて、講演をやってもらったんです。
松下:ああ、そうなんですね。
Gさん:その時、最後にヘルスコーチ・ジャパンのチラシを配っていて、とにかく藁にもすがる思いで行こうと思って行ってみて、最初、正直よくわからなかった。
Gさん:でも他に手もないしということで、糖尿病コーチングだけ通っていたんですけど、年に2回ですからね。今思えば、年に2回、丸1日・丸2日やったとしても、そうそう物になるものじゃないなと、今ならよくわかるんですけど。本当にその当時、すごく大きいお金だと思ったんですけど、本講座にも行くようにして、そこからだんだんハマっていきましたね。
松下:糖尿病コーチングに行かれたのは、何年くらい前か覚えていらっしゃいますか?
Gさん:7〜8年前になるのかな。
松下:一度私も京都でお会いしたかなと思うんですが、そこから今まで学び続けていらっしゃるんですね。
Gさん:本格的にやり出して、本講座に行ってから最初の段階は、本当にやってるけどわからないなという感じで、時間が過ぎていったところがありましたけどね。
松下:そうなんですね。本講座に来て学び続けて今があるんですけれども、その中でお仕事に活かしたいという思いがすごく伝わってきたんですが、学びを続ける中での変化って何かありましたか?
Gさん:こっち(糖尿病コーチングよりもコーチングそのもの)が面白くなってきて、コーチングをやるということが目的の上の方に来ちゃって。できれば仕事にも活かしたいぐらいに。
松下:そうなんですね。面白さって、何が面白いと思ったんですか?
安心安全の場、心理的安全性が保障された世界で話ができることが、非常に嬉しかった。実社会ではそんな機会はほとんどない
Gさん:何ですかね。やっぱり安心安全の場、心理的安全性が保障された世界で話ができるっていうのが、非常に嬉しかったような気がします。
Gさん:実社会ではそんな機会はほとんどないと言っていいと思うので。職場では当然、上下関係もあるし、決して安心安全な場でもないですし。実社会ってどうしても立場というものを背中に抱えながら会話するし、そういうのを下ろして人間同士で話しするって、そうそうないなと思うんです。それは貴重な機会だなって、それが楽しかったりします。
5. ACC資格を取ろうと思ったきっかけ
松下:ありがとうございます。では、その中で最初からACCを目指していましたか?どこで取ろうという風にシフトなさったんですか?
最初は「ACCはプロになる人が取るもので、自分には縁のないもの」と長らく思っていた
Gさん:最初はACCなんて、プロになる人が取るものだし、僕には縁のないものだって、ずっと思っていました。
Gさん:やっぱり100時間ってそんなクライアントもいないし、もう無理だなと思って、まあまあそっちの世界だなというふうに思っていたんですけど。いつだったか、ICFが「ピアツーピアコーチング」もきちんと練習じゃなくてコーチングとして形でやれば、時間にカウントしていいんですよ、というふうに言ってくれたんで。それなら僕にもひょっとしてチャンスがあるかもしれないと思って、じゃあ一回頑張ってみようかなと思って。
松下:ピアツーピアがOKになったというところをチャンスとして捉えた。そしてやってみようとチャレンジなさったんですね。
ピアツーピア解禁が、医療従事者にとってACC挑戦の扉を開いた。「あれがなかったらずっと諦めていた」
Gさん:そうですね。あれがなかったら、もうずっと諦めていたと思います。
松下:そうすると、一番そこに意識が向かなかったのは、今聞くとクライアントもいないし、100時間どうするんだっていうところが一番大きかったんでしょうか?
Gさん:100時間も確かに重荷なんですけど、そんなに時間が取れるわけでもないし、クライアントを取ることですね。
松下:そっちなんですね。
Gさん:プロを目指す人って、SNSを利用してとか、自分で将来それで仕事にしていこうと思っているので、クライアントを取るためにどうするかってビジネス的な要素もすごく考えている。
Gさん:でも僕には今はそれ無理だと思ったので、だからとても100時間分クライアントを取るなんて絶対無理だなっていう印象がずっとあって、今もちょっとあるんですけど。そんな中で「ピアツーピア」なら皆さんにお願いすればできるんじゃないかという、ちょっと希望みたいなものが芽生えた瞬間でしたね。
松下:今「希望」とおっしゃったから、なんとなく無理だと思いながらも前を向いてやっていったんですね。
コーチングを続けるなら、成長のメジャーはACC・PCC・MCCくらいしかない。マイルストーンとして大きな意味がある
Gさん:そうですね。コーチングを続けるなら、成長のメジャーというのが持ちにくい分野だと思うんで、唯一あるのが例えばACC、PCC、MCC、大きくドーン、ドーンと、それに乗れるっていうのは、ある意味嬉しかったのかもしれないですね。
6. 資格取得要件の100時間はどうやって達成したのか?
松下:「ピアツーピア」で100時間積み重ねたということなんですが、どういうふうに「ピアツーピア」で広げて100時間を積み重ねていったのか、具体的に教えていただいていいですか?
スクールで親しくなった人に直接依頼 → メッセンジャーで告知 → そこからボーンと来てくれて口コミが広がった
Gさん:最初はスクールで親しくなった人に直接お願いして、ということをやっていたんです。
Gさん:当然ICFがコーチングですので、「1回限りじゃなくて3ヶ月とかやりませんか?テーマを持ってやりましょう」ということでお互いやってきて、ただやっぱり数はそんなに増えないんで。最上(輝未子)さんも言っていましたが、メッセンジャーとか使ってやっていいよ、とかそんな話になって、そこでボーンと出したら意外とたくさん来てくれて、そこからちょっと数が増えて、それでやっていっているっていう感じですね。
Gさん:仕事もしているので、結構自分としてはいいペースで頑張ったなと。
松下:そうなんですね。プロセスとしては、そのスクール内で仲良くなった人に声をかけ、その次にスクールのメッセンジャーで。確かにいろんな人来ていますもんね。
100時間の実績セッションは、100時間のうち75時間が有料セッションでなければなりません。Gさんは、相互コーチング(ピアツーピア)と、個人的にお願いした人とのセッション、そこからの口コミ紹介で達成されました。
人によっては、社内で許可をとり、社内コーチングで達成される方もいらっしゃいます。人事部への許可が必要ですが、給料をもらってやっているコーチングになるので、有料カウントができるのです。
ただし、上司が直属の部下に行うコーチングは、実績セッションとはみなされなくなっています。この理由は、上司部下の関係性の中で行うと、コーチングで最も重要な、Partner Withができなくなるからと思われます。
7. ICF Credentialing Exam対策としてやったこと
松下:実技が通ると、ICFが行うクレデンシャルエグザムというオンラインテストを受けないといけないんですけれども、それの対策はGさんはどんなふうにされたんですか?
ACC Exam対策のための勉強会を自ら立ち上げ、仲間と共にコアコンピテンシーと倫理規定を深く読み込んだ
Gさん:試験対策として、ACC Exam対策のための勉強会を自分で立ち上げました。というのも、Examはコアコンピテンシーと倫理規定を深く読み込む必要があり、合格水準まで到達するのが結構難しいからです。
Gさん:ACCを目指す仲間を集めて、みんなで問題文を解釈し、根拠を議論しながら進めていくという形式でした。一人で本を読み込むよりも、他の人がどう解釈しているかを聞くことで、自分の理解の偏りに気づけることが大きかったです。
立ち上げた勉強会は今も仲間に引き継がれて続いている。結果的にコミュニティへの貢献にもなった
Gさん:その勉強会は、僕がACCに合格した後も、他の仲間に引き継がれて今も続いているんです。自分のために始めたものが、結果的に後から来る方々の学びの場になっているのは、嬉しいですね。
松下:Gさんが立ち上げた勉強会が仲間に引き継がれて続いているって、本当に素晴らしいコミュニティですよね。
Gさん:みんなコーチングを学ぶ仲間だし、当然学ぶ以上、コーチングマインドをみんな持っているわけで。新しいコミュニティができた感じで、すごいそこは嬉しかったですね。
ヘルスコーチ・ジャパンには、受講者が自主的に立ち上げている勉強会や実践練習会が7つあります。ほとんどがピアツーピアをやっている練習会です。
Gさんは、ICF Credential Examに特化した勉強会を立ち上げて、学びを深められました。というのも、Examは、コアコンピテンシーと倫理規定を深く読み込む必要があり、合格水準まで到達するのが結構難しいからです。
しかも、Gさんが試験を受けた時期は、経験重視のICF Credential Examと、知識重視のACC Examの両方が選べる時期でした。
ICF Credential Examの方が、経験を積んできた方にとっては解きやすい問題だったのですが、2025/05/02現在は、ACC新規申請者はACC Examのみの受験となっています。
8. 試験を受ける前の準備
松下:実際に試験を受ける前には、どんな準備をされたんですか?
Gさん:試験はピアソンVUEという会場で受けるので、まずはその会場の場所を確認して、当日迷わずに行けるように下見するような気持ちで地図を見ておきました。
Gさん:あとは、英語で受験するか日本語で受験するかも選べたので、自分がどちらで受けるかを決めて、そのつもりで模擬問題を繰り返し解きました。
Gさん:インタビューの中でも話しますが、ピアソンVUEのチュートリアル画面を事前に見ておくと、試験当日の画面操作で迷わなくて済むので、これは本当におすすめです。
インタビュー内で話しているチュートリアルは、下記リンクの下の方にあります。
9. ヘルスコーチ・ジャパンのプログラムの良かったところ
松下:Gさんはヘルスコーチ・ジャパンのプログラムで学んで、ここまでこられたわけなんですけども、ここで学んでよかったな、このプログラムよかったなというのは何かありますか?
医師の世界にはない「安心安全の場」。厳しい上下関係から解放され、対等に心を許して話せる場の価値は大きい
Gさん:一番はやっぱり、さっきも言いましたけど、安心安全の場、心理的安全性が保障された世界で話ができるっていうこと。医師の世界は厳しい上下関係があって、対等に心を許して話すということがないので、それがここにはあるっていうのが、大きかったですね。
Gさん:それから仲間ですね。コーチングを学ぶ仲間だし、コーチングマインドを持っているから、学びも深まるし、何より楽しい。
松下:仲間の力、大きいですね。
ヘルスコーチ・ジャパンには、ICFジャパンが認定している、CODE&CCアンバサダー資格を持つコーチが3名もいます(まだ全国に10名ほどしかいない資格です)。
なので、ICF Credentialing Examで出題される、コアコンピテンシー、倫理規定、PCCマーカーを深く学ぶことができるコースが、たくさん揃っています。
受講された方の中には、ACCをすでに持っている方がさらに学びを深めるために、PCCマーカーブートキャンプ実践会で実戦的にコアコンピテンシーを体得される方もいらっしゃいます。
PCCマーカーブートキャンプ実践会ほか、コアコン実践倫理ケーススタディ、コアコンピテンシーなど、ACCの先にあるPCC資格も見据えた学びの場が用意されています。詳しい情報は下記をご覧下さい。
10. ACC資格を今後どのように活かしていきたいか?
松下:今後のことについて、少しお話いただきたいんですけれども、ACCを取得してこれからやっていきたいこと、どんなことがありますか?
糖尿病診療の中で少しずつコーチングを活かしていきたい。患者さんとの対話をもっと深めたい
Gさん:やっぱり糖尿病診療の中で、少しずつコーチングを活かしていきたいと思っています。傾聴が大切だと分かっていても本からだけでは難しかったので、学んできたことを、実際の診療の対話の中にどう取り入れていけるか、試行錯誤しながら続けていきたいですね。
Gさん:それから、勉強会で一緒だった仲間や、これから挑戦する人たちと、引き続きピアツーピアでセッションを重ねて、自分自身のコーチとしての経験も積んでいきたいと思っています。
松下:医療の現場で、コーチングマインドを持った先生がいらっしゃるということは、患者さんにとって本当に心強いと思います。
ACC資格の新規申請は、ICFのページから英語で行わなければなりません。ここは日本人にとってハードルが高いところなので、ヘルスコーチ・ジャパンでは、実際の申請画面を録画して、あらかじめご覧になれるように用意しています。
このサービスは、受講者の方に大変好評で、「これがあったから、安心して申請できた」「これがなかったら申請時点で心が折れていたかもしれない」と、仰います。
他にも、契約書の雛形、会社に申請するときの書類、その他、資格取得時に必要な情報を、ひとつのプロダクト内に収めて、受講者の方に提供しています。
11. これから資格取得にチャレンジする人への応援メッセージ
松下:では最後に、これからACC取得にチャレンジする人、ヘルスコーチ・ジャパンにもいらっしゃいますし、そこを視野に入れて、またコーチングを学び始めようかなと思っている人もいらっしゃると思いますので、その方たちに向けてメッセージをお願いしてよろしいですか?
プロを目指す人と自分を比べなくていい。自分のペースで少しずつでも進んでいくことを願っている
Gさん:頑張っていきましょうっていうことにはなるんですけど、コーチングをまだされていない方に関しては、ちょっといっぺん覗いてみてねっていうのはありますし、されている方でACCを取ろうと思っている方も多いと思うし、多分いろいろな状況において、困難な状況におられる方もたくさんいるんじゃないのかなと思うんですけど。
Gさん:一方でプロになる人たちは本当に早いペースでポンポンポンポーンと進んで、能力に関しても、時間に関しても進んでいく。そういうのを見ると「はぁー」と思っちゃうような時も確かにありましたし、あるんじゃないかなと思うんですけども、自分のペースで進んでいってくださいというようなメッセージですかね。
Gさん:自分のペースでやっていっていいんじゃないのかなと思ってるんで。いろいろ立場として苦しいけども、少しずつでもいいんで進んでいかれることをお勧めするというのか、願ってるっていうのが僕のメッセージになります。
松下:ありがとうございます。そうやって進んでこられたGさんだからこそ、心からおっしゃってるのが伝わってきました。学ぶ中でもいろいろ揺れたり、誰かと比べてとかっていうことは私もあったなぁと思いますけれども、今ここに来たら、まあこれでOKみたいなね、ところも感じられた。それがその時のベストだったのかなぁ、なんて、今私もちょっとGさんの言葉を聞きながら考えました。本当に率直にいろんなことを話してくださって、自分の経験から次にステップアップする人たちへのメッセージも、本当に心に届いたなと私は思っています。それでは今日はありがとうございました。
Gさん:ありがとうございました。
Examは、会場受験とオンライン受験の2つの方法から選べます。
会場は全国にあり、試験の運営は、ピアソンVUEというところがやっています。ここは、ICFの試験だけでなく、マイクロソフトやIBMなどの試験も行っているので、隣の席の人は、違う試験を受けていたというわけです。
会場は、場所によってかなり状況が違いますが、試験開始直前にならないと入れない、ということは、複数の人が話しています。
試験は、ピアソンVUEというところが一括して請け負っているので、下記から詳しい情報を手に入れておいてください。
あとがき
Gさんの歩みは、医療現場で「人を診る」という営みと真剣に向き合ってきた医師が、対話という営みを体系的に学び直し、自らの診療に活かしていく静かで誠実な道筋を示してくれます。
糖尿病診療で必要と分かっていた傾聴が、本や講座で学ぶだけでは身につかなかった戸惑い、京都の糖尿病コーチングから本講座へと編入して「安心安全の場」という新しい世界観に出会った喜び、「ACCはプロが取るもの」という思い込みを脇に置いてピアツーピア解禁を好機と捉えた柔軟さ、そして2年間で100時間を積み上げつつ勉強会を自ら立ち上げて仲間と共に学んだ行動力。どれも派手な成功体験ではなく、医療者らしい粘り強さと、仲間への誠実さに貫かれています。
医師、看護師、薬剤師、療法士、その他の医療専門職の方で、「患者さんとの対話をもっと深めたい」「ACCは自分には関係ないと思っていたけれど、もしかしたら自分にも道があるかもしれない」と感じている方にとって、Gさんの体験は具体的で温かい後押しになるはずです。自分のペースで、少しずつでも、確かな一歩を。
12. プロフィール
Gさん(合格者・匿名/内科医・糖尿病専門)

糖尿病を専門とする内科医。病院での診療を続ける中で、患者さんの理解とエンパワーメントに傾聴の重要性を感じ、本や講座で学ぶも実践でうまくいかず、コーチングという手法に出会う。
京都で開催されていた糖尿病コーチング講座(大石先生主催)に参加したことをきっかけに、ヘルスコーチ・ジャパン本講座に編入。2023年初めに「2年でACCを取る」と決意し、ICFのピアツーピアコーチング制度を活用して100時間を着実に積み上げる。
ACC Exam対策の勉強会を自ら立ち上げ、仲間と共にコアコンピテンシーと倫理規定を深く読み込みながら学び続け、2025年4月にACC合格。立ち上げた勉強会は、今も後輩たちに引き継がれて続いている。
【所有資格】
- 医師
- 国際コーチング連盟(ICF)認定ACC(Associate Certified Coach)
- NPO法人ヘルスコーチ・ジャパン認定 メンタルコーチ/ヘルスコーチ
松下由樹さん(インタビュアー/まつしたゆき)

コミュニケーション リアン代表。石川県小松市出身。2010年に客室乗務員として勤務した日本航空を退職。経験を通して、無意識でのコミュニケーションの取り方が関係性に大きな影響を及ぼし、個人、チーム、そして組織のパフォーマンス力・成果・結果が大きく変わることを実感する。
「どんな時も私たちひとり一人が生き生きと、前を向いて生きていけるようになれたらいい」という思いから、セルフマネジメント、コーチング、ストレングスファインダー等を学ぶ。コーチングを通して、ひとりからチームへ、チームから組織へ、組織から社会へと、「元気・やる気・勇気」と「実現可能な未来の可能性」がどんどん広がる輪を創りたいとの思いで活動中。
【所有資格】
- 国際コーチング連盟(ICF)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
- NPO法人ヘルスコーチ・ジャパン認定 メンタルコーチ/ヘルスコーチ
- 国際コーチング連盟日本支部(ICFJ)倫理規定&コアコンピテンシー・アンバサダー
- 米国ギャラップ社認定ストレングスコーチ
この記事を読んで次にすること
Gさんの体験は、医師・看護師・薬剤師・療法士など「人と深く向き合う仕事」をしてきた方にとって、次のキャリアとしてコーチングを位置付ける一つの道筋を示してくれます。多忙な臨床の合間を縫ってでもコーチングを学び、ACC資格取得まで到達できる道があることが分かる、貴重な事例です。
