【叱り方】続編-ここだけは押さえておきたい叱り方・注意の仕方の極意7つ
「叱る」「注意する」
チームをうまく回して行くうえで
必ず必要なコミュニケーションですが、
これがなかなか難しい!
実は、いくつかのコツさえ掴めば
相手が素直に受け取りやすい
「叱り方」「注意の仕方」ができるようになります。
目次
叱る・注意するときに使って欲しい「フィードバック」のスキル
「叱る」「注意する」ときに使って欲しいのが「フィードバック」のスキルです。
このフィードバックについては、
でも、詳しく解説しています。
フィードバックのそもそもの意味や、フィードバックの目的、叱り方の具体例、については、上記ブログを合わせてご覧下さい。
今回は、フィードバックをするときのコツについて整理してお伝えします。
フィードバックする時のコツ
できるだけ早く、その場で伝える
時間が経つと忘れます。
なので、気がついた時にすぐ、
その場で伝えるのが基本ですが、例外があります。
それは、ひと目があるときです。
人前、特に、お客様や他の社員がいるときにフィードバックしてしまうと、その人の「外の顔(守りたいイメージ)」が傷つき、
冷静さを失って、慌ててしまったり、
外の顔が傷ついたことのほうに意識が向いてしまって、目の前の仕事に集中できなくなるからです。
基本は、「できるだけ早く」ですが、その人の外の顔が傷つかない配慮をしましょう。
どこをどう変えたら良いのかわかる表現にする
良くやってしまうのが、なんとなくで伝えてしまって、言われた人が、どこをどう変えたら良いのかわからない叱り方です。
特に昨今、叱りや注意の前提となっている「常識」が、上司と部下の間でズレていることが多いので、このポイントは、絶対に守って下さい。
<悪い例> そんなことでどうする!もっとがんばれ!
そんなこと・・・もっと・・・がんばれ・・・
どれもが、曖昧で具体性に欠けます。
- 「そんなこと」が指す内容は何でしょうか?
- 「もっと」とは、何をどうすればあなたが期待する「もっと」になるのでしょうか?
- 「がんばる」とは、何をどうすることなのでしょうか?
ここを、誰が聞いてもわかる表現に変えます。
具体的には、次の2つの伝え方にするとうまくいきます。
1,客観的事実を伝える
2,主観的事実(感じたこと)を伝える
客観的事実を伝える
見えていること・聞こえていることを事実として、そのまま鏡のように伝える伝え方です
主観的事実(感じたこと)を伝える
事実で伝えにく場合に使う伝え方です。あなたの内側で感じたこと・感じていることを「わたし」を主語にして、「わたし」の責任で伝えます。
これを実際にやってみると、いかにわたしたちが、主観が入った曖昧な表現をしているかがわかります。
<例>電話が鳴っていても聞こえないふりをする
上司から見ると「聞こえないふり」に見えるのであって、それが事実かどうかはわかりません。
耳に障害があり、本当に聞こえないのかもしれないし、
目の前のことに夢中になっていると、他のことに気が回らないのかもしれません。
「聞こえないふりをしている」と決めつけるのは、互いの関係性を悪くするだけです。
これをフィードバックの法則に則って伝えるとすると
電話が鳴っても取らない
となります。
客観→主観の順番で伝えるとわかりやすい
これについては、
【叱り方】折れやすい若手や価値観が違う人にも使えて、確実に行動が変わる叱り方の極意
の「相手の行動が確実に変わる効果的な叱り方とは」で詳しく解説していますので、合わせてご覧下さい。
電話が鳴っていても聞こえないふりをする
の場合
1,客観的事実を伝える→電話が鳴ってもとらない
となり、次に
2,主観的事実を伝える→わたしにはあなたが聞こえないふりをしているように見える
となります。
この伝え方だと、一方的な決めつけにはなりません。
承認してからフィードバックする
事実をそのまま伝えられると、多くの人は、いけないと言われたように感じます。
例えば、セミナーの会場で、講師から「腕を組んでいますね」と言われたら、あなたはどうしますか?
思わず腕組みをやめませんか?
講師は、「いけない」とはひとことも言っていませんが、多くの人がいけないと言われたように感じてしまうのです。
上司部下の関係では、部下は上司から何か言われると、通常よりももっと強く「いけない」のほうが伝わってしまいます。
昨今の若手が、指示を出しただけで「叱られた」と勝手に感じて落ち込むのは、このことが原因です。
これを防ぐために、まず「承認」してからフィードバックします。
「承認」とは、相手を認める行為全てを指します。
常日頃の挨拶・声かけも承認のひとつですし、
相手の言うことを最後まで聞くのも承認です。
どこの職場でも、「承認」は圧倒的に不足しています。このことについては、また別の機会に詳しくお話しますね。
「叱る」「注意する」場合は、まず先にその人が常日頃やっている良い点・優れた点を承認し、「さらに良くするには・・・」という形でフィードバックしましょう。
1,まずは承認する
2,さらに良くするには・・・という形でフィードバックする
伝えたあとどうするかを本人に聞く
これをやっている人は、とても少ないのではないでしょうか?
一方的でない双方向の関わりにすることが、風通しの良い組織づくりの基盤となります。
そのために、フィードバックで伝えた結果を、本人がどう捉えているのかを聞いてみてください。
○○さんは、電話が鳴っても取らないよね
わたしには、○○さんが、わざと聞こえないふりをしているように見えてしまうんだ。
ホントのところは、どうなの?
ここから会話が拡がって、「電話を取るのが怖い」などというホンネが出れば、しめたモノです。
どうしたら、電話を取るのが怖くなくなるのか、ふたりで一緒に対策を練ることができるからです。
電話が怖いのに、「どうして電話を取らないんだ。新入社員は電話をとるのが当たり前なんだぞ!がんばれ!」といくら叱咤激励しても、行動は変わりません。
それどころか、精神的に追い詰められて、メンタル不全や離職となるでしょう。
このような最悪の事態を防ぐためにも、是非、フィードバックのスキルを身につけて下さい。
許可をとる
事実だけを伝えられても、いけないと言われたように感じるのが、フィードバックの特徴でした。
なので、相手の衝撃を減らすための方法として、
ひとつは、「承認から先に伝える」こと、
そしてもうひとつは、「許可をとる」のが効果的です。
フィードバックはありのままの自分の姿を、第三者から教えてもらうこと。
ですが、多くの人は、ありのままの自分の姿を、すぐには受け入れられないモノです。
自分に自信がない人はその傾向が強く、対外的には、強がりや反発といった形で出ることもあります。
こんなとき、「許可をとる」というワンクッションはとても効果的です。
ちょっと○○のことについて伝えたいことがあるんだけど、いいかな?
このように言われれば、相手は、心の準備ができます。
もちろん、フィードバックを伝えたあとの、フォローアップ(なぜ、そういう行動をしたのかを相手に尋ね、それに対する対応策を考える)もお忘れなく・・・
あらかじめフィードバックポイントを尋ねる
OJTなどの場合は、あらかじめ、見ていて欲しいポイントを本人に尋ねるのも効果的です。
OJTのやり方については、別途、また詳しくお伝えしますね。
まとめ
叱る・注意するときは、フィードバックのスキルを使うとうまくいく
相手が受け入れやすいように、一方的な決めつけにならないことが大事
チームビルディングに役立つチームリーダーに是非学んでもらいたい講座
今日ご紹介した方法を、実践練習をしながら、確実に身につける講座があります。
この講座を受講するとこんなことが手に入ります
- チームメンバーのやる気と行動を引き出す具体的な関わり方が身につく
- 1対1でやる方法と、グループでやる方法の両方のやり方が手に入る
- チーム活性化のコツが手に入る
- 同じような悩みを持つ全国のチームリーダーたちと交流できる
3年間の再受講フリーパスがつくので、完全に身につき習慣化するまで、期間を気にせず安心して学べます。
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