【叱り方】折れやすい若手や価値観が違う人にも使えて、確実に行動が変わる叱り方の極意
最近、チームリーダーになりたがらない人が増えているようです。
その理由のひとつが、
上手に叱れない
ということ!
注意をしたくても
- パワハラにならないだろうか?
- 相手が傷ついてメンタルにならないだろうか?
- 反論されないだろうか?
など、いろいろ考えていると、二の足を踏んでしまうその気持ち、よくわかります!
実際、最近の若い世代は、叱られ慣れていない人が多く、
○○してね・・・と言っただけで、
「○○できていないからそういうこと言われるんだ=叱られた」
と勘違いして、勝手に落ち込むようなケースもあるようです。
そんなときに知っておくと便利なのが、今回お伝えする「フィードバック」という叱り方・伝え方です。
目次
フィードバックとは何か?
コーチングスキルで使う「フィードバック」とは
コミュニケーションを交わしている相手が、外界に向けて伝えていることを、鏡のようにそのままその人に返すこと
を言います。
プロコーチにとって、フィードバックは命とも言える重要なスキルです。
なぜなら、クライアントが気づいていないことを、第三者の目から率直に伝えることで、クライアントに違う視点をもたらし、それが成長につながるからです。
このことは、コーチの世界標準を決めている国際コーチ連盟(International Coaching Federation)が定めた
コーチの核となる能力水準-Core Compitencies(コアコンピテンシー)
にも、
「7,率直な(明確な)コミュニケーション Direct Communication」として明記されています。
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下記リンクから原文を日本語で読むことができます
国際コーチ連盟が定める核となる能力水準(コア・コンピテンシー)
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メンタル不調・離職・パワハラにもつながる「間違った叱り方」
残念なことにわたしたちの多くは、このような「フィードバック」について正しくきちんと学んでいません。
”叱る”と”怒る”は違う
などと良く言われますが、具体的に何をどうすれば「怒る」のではなく「叱る」になるのかを知っている人はあまりいないでしょう。
なので、相手がしたことに対する怒りの感情をぶちまけたり、相手を責めることにより、相手の行動を変えようとしてしまいます。
ところが、このようなメッセージは、相手に伝わるどころか、防衛反応が働き、言い訳や逃避行動を引きおこします。
なにより、なぜ、そんなに怒っているのか、何がどういけなかったのか、どういう行動を望んでいるのかが具体的にわからないので、行動を変えようがないのです。
曖昧な叱り方がメンタル不調者を作る
実際にわたしが関わった案件で、先輩が言っていることがわからず、新入社員がメンタル不調に陥ったケースがありました。
その子は、他の新入社員に比べて、確かに覚えが悪く、何度も同じミスを繰り返していたそうです。
でも、まじめで、一生懸命で、なんとかみんなに追いつこうと必死になっている健気な子でもありました。
ところが、その子の指導にあたっていた先輩は
なんでそんなことばかりするの
いったい何度言ったらわかるの
そんなこともわからないでどうするの!
を連発していました。
なんとかできるようになりたかったその子は、思い切って先輩に聞きました。
どこが悪かったのでしょうか?
ところが返ってきた返事は・・・
自分で考えなさい。明日までにレポートを書いてくること!
だったのです。
悩み苦しんだその子は、周りの友だちに聞いてみました。でも、誰も何をどうすれば、その先輩の気に入るかがわからなかったのです。
そしてその子は、心が病み、メンタル不調となりました。
フィードバックのそもそもの意味
実は、フィードバックはもともと、軍事用語や電気工学で使われている言葉です。
軍事用語では、「砲弾の着弾点が目標からどのくらいずれているかを相手に伝えること」を言います。
電気工学では、「入力と出力のあるシステムで、出力に応じて入力を変えていくこと」を言います。
医学用語では、このことをバイオフィードバックと言います。
具体的には、血圧・心拍数・筋肉の緊張などの生理機能を測定し、それを音や画像などの情報に変換して本人に知覚させることによって、心身の状態を自分の意志で制御することを指し、心身症の治療やスポーツのトレーニングなどに用いられています。
フィードバックとは「ありのままをそのまま」伝えること
このように、軍事・電気工学・医学において、フィードバックとは、そこに起こっているありのままを、数値などの客観的情報として、そのまま伝えることを意味しています。
なので、年に一回の健康診断の結果は、体に関するフィードバックですし、体重計・血圧計で測っている数値も、フィードバックになります。
フィードバックの目的
つまり、フィードバックの目的は、
より早く目標に近づくこと、より良く改善すること
であり、コミュニケーションにおけるフィードバックは、
相手の成長を願ってするのが絶対の前提条件
なのです。
フィードバックすることで、相手を変えてやろうとか、懲らしめてやろうとか、恥ずかしめてやろう・・・などということは、絶対にあってはいけませんし
そのようなフィードバックは、何の効果もなく、相手のモチベーションを下げるだけでなく、チーム全体のモチベーションも下げてしまいます。
相手の行動が確実に変わる効果的な「叱り方」とは?
これらのことから、相手の行動が確実に変わる効果的な「叱り方」とは
1,客観的事実を、ありのままに伝えた上で
2,そのことが周りに及ぼしている影響や、あなたが感じていることを、アサーティブに伝え
3,やってほしいこと、辞めて欲しいことを、率直にリクエストすること
と言えるのではないでしょうか?
アサーティブとは、起こっている事柄を、事実と解釈に分けて、あなたの気持ちを、「わたし」を主語にして、「わたし」の責任のもとに伝えることを言います。
コミュニケーションにおけるフィードバックは、アサーティブでなければやれないスキルなのです。
そして、最後に必ず、やって欲しいこと・辞めて欲しいことをしっかりとリクエストしましょう。
「叱り方」の具体例
<伝わらない叱り方>
その髪型どうにかならない?
なんだ、その髪型は!そんな常識はずれでどうする?社会人失格だ!
<フィードバックとリクエスをと使った叱り方>
前髪が目にかかっているね。(事実を伝えるフィードバック)
僕には、だらしなく見えてしまうし、お客様も、あまり良い印象は持たないと思うよ。(感じたことを伝えるフィードバック)
そして、そのことが、会社のイメージにも影響すると思います。
だから、前髪は、会社の規則通りに、眉の上までの長さに切るか、ピンやゴムで止めて、うつむいたときに前に垂れ下がらないようにしてください。
「叱る」のは1度にひとつにする
相手に確実にあなたのリクエストを伝えるには、1度にひとつだけに絞ってください。
いくつもいっぺんに言われても、どれからやって良いのか混乱が起こります。
なので、1度にひとつ、それができたら、しっかりとほめて、次を伝えるようにすると、うまくいくでしょう。
まとめ
起こっていることを、事実と解釈に分けて
- そのことが周りに及ぼしている影響、自分が感じていること
- やって欲しいこと、辞めて欲しいこと
の順番で伝えると、相手に伝わりやすくなります。
そのとき、
相手に対する責めを入れない
いちどにひとつにする
やって欲しいこと・やめて欲しいことは具体的に伝える
のがポイントです。
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